転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
フロレンツィアの人生は、表面上は華やかだ。ただ、水中で必死に水をかく白鳥と同じで、見えないところで努力を重ねているのだ。

それが、主人公の登場によって崩れ去ってしまう。王太子ヴォルフガングは主人公を選び、彼女は光魔法で国を救って聖女として認められるのだ。

やってきたことすべてが水の泡となった彼女の心情なんて、考えたくない。

かといって、彼女がゲーム内で行ったいじめや嫌がらせを「仕方がない」と言えるものではないが……。

ただ年若い少女に、背負わせていい重荷ではないだろう。日本だったら、親や大人達に守られて、ぬくぬく暮らしているような年頃だ。非常に気の毒である。

というのが、現在の彼女に対する認識だ。前世と違って、いささか同情的になっている。

だから、額に汗を浮かべ、青い顔色の彼女を放ってはおけなかった。

絶対に関わらないと決めていたが、別に大勢の取り巻きがいるわけではない。加えて、ニコラとヴォルフガング殿下に関係するものではないのでいいだろう。
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