転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
フロレンツィアは、腹部を押さえていた。焦点も、合っていないような気がする。明らかに、様子がおかしい。

「ねえ、お腹が痛いの? 医務室の先生を、呼んでこようか?」

「いいって……言っている、でしょう? わたくしのことは、放っておいてくださいまし!!」

きつい言葉を投げかけてくるものの、すさまじい汗をかき、苦痛に表情を歪めている。おそらく、かなり辛い状態だろう。

この世界に、体調不良を和らげる薬はあるにはあるものの、普及していない。なぜかといえば、回復魔法魔法で簡単に治せるからだ。皆、怪我をしたり体調不良になったりすると、回復魔法師がいる病院に向かう。すると、ほとんどの怪我や病気は完治するのだ。

便利な魔法があるので、皆薬に頼らなくなった。そのために、薬文化は瞬く間に衰退してしまった。

その昔は、回復魔法事態はそこまで普及していなかった。しかし、ここ近年、魔方式が解明されて、回復魔法の効果はぐっと上昇し、使える者も多くなった。それが、我が国の歴史である。

ただ、魔法で治せない病気があると判明したのは、百年くらい前。気付いたときには、薬の技術はほとんど衰退していた。

そのため、国は多くの予算をかけて薬の研究、解明を進めている。その職務に就いているのが、国家魔法薬師である。
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