16歳、きみと一生に一度の恋をする。


最初は知らなかったかもしれないけれど、母さんは結婚してるとわかったあとでも関係を続けた。

それで、ひとつの家族が壊れることを承知で一彦さんと一緒になって、今の俺たちがある。

「……やっぱり再婚を決めたのは、俺の病気のことがあるからだろ?」

結婚しなくても支え合っていくことはできるのに、出逢って半年足らずで籍を入れたのは、万全な治療ができずに進行していく俺の身体のことがあったからなんじゃないかって、ずっと考えてきた。

「……たしかに一彦さんのおかげで晃はちゃんとした治療をすることができてる。でも、結婚したいと思ったのは晃のことがあるからじゃないわ。誰かに恨まれることになっても、私があの人と一緒になりたかったのよ……っ」

母さんは涙を流しながら吐露してくれた。

なんにも感じていないように見えていたけれど、きっと心では母さんも罪悪感を抱えていたのかもしれない。

誰かが幸せになる代わりに、誰かが不幸になるなんて、そんなのあってはならない。

でも俺は母さんの子供だから、その気持ちが痛いほど理解できてしまう。

誰かに恨まれることになっても諦められない。

俺もあいつのことが欲しい。

それで叶うなら……俺が汐里のことを幸せにできたらいいのにって願ってしまうのだ。

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