16歳、きみと一生に一度の恋をする。
きみと恨み合って、怒鳴り合って、泣き合って、言い合った。
それでも探り合って、歩み合って、許し合って、抱き合った。
たくさんすれ違って悩んだけれど、私たちは同じ気持ちで向き合うことができるはず。
中庭の中央に咲いていた大きな桜の木。ピンク色の花びらが舞っている下に、車いすが止まっていた。
同時に漂ってくるホワイトムスクの甘い香り。
さらさらとなびいている黒髪は、桜を見上げるように空に向いている。
私の心臓を魔法のように高鳴らせることができる人は、この世界にひとりしかいない。
「晃」
私は息をはくように、名前を呼んだ。