16歳、きみと一生に一度の恋をする。
スローモーションのように、車いすがゆっくりと方向を変える。こっちを向いた彼は驚いたように目を丸くさせていた。
「……な、なんで……」
少しだけ髪の毛が伸びているけれど、その姿は私の知っているきみのままだった。
「私が会いたいから、会いにきた!」
届くように、声を張った。
私、いつも思ってた。
涼しい顔をしたって、知らん顔をしたって、胸の鼓動だけはこうして、速くて熱くて。
人ってね、特別だという気持ちを隠せないようになってる気がする。
「会いにきたって……お前、わかってんのかよ」
「わかってるよ」
「わかってねーだろ。見てのとおり俺はこんな身体だし、お前の負担にしかなんねーんだぞ」
「うん」
「うんじゃねーんだよ。俺はお前に幸せになってほしいんだよ。だから……」
「幸せなら晃と一緒になりたい。私は晃とじゃなきゃ、幸せになれない!」
晃はいつも私の隣にいてくれた。
寂しい日も苦しい日も、どんな時でも寄り添ってくれた。
晃と出逢って急に回りはじめた歯車を、今度は自分で回していく。