16歳、きみと一生に一度の恋をする。
「……母さんはなんであの人と再婚したの?」
「えー急にどうしたの?」
「俺の身体のことがあるから?」
「え……?」
リビングに沈黙が流れる。
病気が発症したのは小学生になったばかりの頃だった。
最初はどこの病院も成長ホルモンの乱れが原因だと言って気休めの薬しか処方してくれなかった。
やっと有効的な治療をしてくれたのが、現在通っている大学医療センターだ。
母さんとふたりで暮らしていた時は、病院代もままならないほど日々の生活に追われていた。
母さんも疲労で痩せていくし、一番大変な時期だったと思う。
そんな頃、母さんが出逢ったのは一彦さんだ。
ふたりが再婚したことによって、生活は一気に潤った。俺もこうして治療を欠かさずに行うことができている。
だからこそ、ずっと疑念が消えない。
再婚を決めた大きなきっかけは自分なんじゃないかと。
俺が病気じゃなければ、なにかが違ったんじゃないかと思わずにはいられない。
「ち、違うわよ。私はただ本当に一彦さんのことが好きだったから……」
「好きだから、他の家族が壊れてもほしかったってこと?
「……え……」
「ごめん。なんでもない」
俺は一方的に話を中断して、席を立った。