転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
 フィデルから、ニールへと握手を求めた。
 その際に、フィデルが見せた笑顔を見て、ニールは一時停止する。

「…………おい。ニール」
「は、はい! もちろんでございます!」

 一時停止が解け、大喜びしながらニールはフィデルと固く握手を交わすと、ぶんぶんと勢いよく上下に振った。

「ニール。私、約束守ったでしょ?」
「はい! ありがとうございますシエラ様! 私は今とても幸せです!」
「……約束ってなんだ?」

 ニールと顔を見合わせて、人差し指を口に持っていくと、同時にフィデルに返事をした。

「内緒っ!」
「内緒です!」

 首を傾げるフィデルを見て、私たちは笑う。

『そのかわり約束してください。フィデル様の笑顔を、もう一度私に見せてくれることを』。

私が、ニールに協力を頼んだときに交わした約束だ。
 ふたりだけの秘密をしばらく楽しむ私たちを見て、フィデルは少しだけ不満そうな顔をしていた。

 その後、いつまでも私たちが事件現場にたむろしているわけにもいかず、私たちは一度別邸へ戻ることになった。
 ニールは城へと戻り、エリオットとロレッタも兵士に運ばれて行った。あの様子じゃ、今日はこのまま地下牢行きコースね。
 陛下とドリスさんは現場に残り、再建への計画や、今後の生徒への対応などを話し合っていた。

 私たちもひと時の休息時間が終われば、事情聴取を受けたり、事件を知らない国民へ再度この国になにが起きたか説明したりと、やることはもりだくさんだ。
 方向が同じなのだから一緒に帰ればいいのに、ニールはさっさとひとりで帰って行ったので、私はフィデルとふたりで別邸までの道のりを歩く。
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