転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「……さすがに、十年経っても俺の顔は忘れていなかったようだな。エリオット」
「忘れるものか! 僕と父様から大切なものを奪った、憎きお前の顔を!」
「ふっ。俺はすっかり忘れていたよ。お前の顔なんて。どれ、久しぶりの再会なのだから、よく見せてくれないか? その焦り切ったマヌケ面を」
「プッ!」
あまりにフィデルがエリオットを淡々とした口調で煽るものだから、私は我慢できずに噴きだした。ドリスさんも手に持った大きな扇で口元を隠しているが、肩が震えている。私と同じく笑いを堪えきれなかったみたい。
「マ、マヌケだと!?ふざけるな! ……しかもよく見たら、お前が着ているその服は僕のじゃないか!?」
顔を真っ赤にして怒りながら、エリオットはフィデルが着ている衣装を指さした。
黒の生地にシルバーの刺繍とボタンがあしらわれたナポレオンジャケットに、黒いタイトパンツ。
今思い返すと、今日一日黒い服しか着てないフィデルだが、黒はフィデルによく似合う。こんなかっこいい衣装、腹黒さを白い衣装で誤魔化しているマヌケ王子に着こなせるはずがない。
「ちなみに、フィデルだけじゃないわよ」
私は黒いコートをバサッと脱ぎ捨て、真っ赤なドレス姿を披露する。
カラスからいきなり露出度が高めになった私の格好を見て、周りの男性陣から『おぉー!』と謎の歓声が上がった。……なかなか悪くない気分ね。
「あぁっ! それは、私も着たいと思っていたドレス……! エリオット様、いったいどういうことなんです!?」
「いや、すまないロレッタ……僕にもさっぱりなのだが……。お前たち、まさか勝手に城に入って盗んだのか!? それは立派な犯罪だぞ!」
「あれはあたしがシエラとフィデルに提供したものよ。文句あるならあたしを罰しなさい」
ドリスさんが私たちを庇うように、前に出てきてそう言ってくれた。
「ド、ドリス……!」
「忘れるものか! 僕と父様から大切なものを奪った、憎きお前の顔を!」
「ふっ。俺はすっかり忘れていたよ。お前の顔なんて。どれ、久しぶりの再会なのだから、よく見せてくれないか? その焦り切ったマヌケ面を」
「プッ!」
あまりにフィデルがエリオットを淡々とした口調で煽るものだから、私は我慢できずに噴きだした。ドリスさんも手に持った大きな扇で口元を隠しているが、肩が震えている。私と同じく笑いを堪えきれなかったみたい。
「マ、マヌケだと!?ふざけるな! ……しかもよく見たら、お前が着ているその服は僕のじゃないか!?」
顔を真っ赤にして怒りながら、エリオットはフィデルが着ている衣装を指さした。
黒の生地にシルバーの刺繍とボタンがあしらわれたナポレオンジャケットに、黒いタイトパンツ。
今思い返すと、今日一日黒い服しか着てないフィデルだが、黒はフィデルによく似合う。こんなかっこいい衣装、腹黒さを白い衣装で誤魔化しているマヌケ王子に着こなせるはずがない。
「ちなみに、フィデルだけじゃないわよ」
私は黒いコートをバサッと脱ぎ捨て、真っ赤なドレス姿を披露する。
カラスからいきなり露出度が高めになった私の格好を見て、周りの男性陣から『おぉー!』と謎の歓声が上がった。……なかなか悪くない気分ね。
「あぁっ! それは、私も着たいと思っていたドレス……! エリオット様、いったいどういうことなんです!?」
「いや、すまないロレッタ……僕にもさっぱりなのだが……。お前たち、まさか勝手に城に入って盗んだのか!? それは立派な犯罪だぞ!」
「あれはあたしがシエラとフィデルに提供したものよ。文句あるならあたしを罰しなさい」
ドリスさんが私たちを庇うように、前に出てきてそう言ってくれた。
「ド、ドリス……!」