エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
私は冷蔵庫に冷やしたスパークリングワインを取り出すとグラスに注いだ。

そして一つを洋介さんに渡す。

「どうせ二人で並んで料理するなら飲みながらもいいかなと思って」

すると満面の笑みを浮かべた洋介さん「じゃあ乾杯しよ」

私たちは向き合い乾杯をした。

「美味しい」

「うまい」

お酒を飲みながら二人でキッチンに立つなんてすごく贅沢だ。

だけどこれが最初で最後だと思うと嬉しい反面切なくなる。

アクアパッツアの出来上がりを見計らいながらチキンクリームのパスタを作る。

サラダを作り終えた洋介さんはグラス片手に見学。

「料理はいつから?」

「ここに越してきてからだから5年?最初は何もできなかったの。これでも私社長令嬢ですから」

自虐まじりにいうと洋介さんは首を横に振った。

「あの時、あの場所で聞くまで君が社長令嬢だなんては全くわからなかった」

「そりゃそうよ。社長の娘だからって贔屓目で見られるのだけは嫌だったんだもん。おかげで洋介さんとはしょっちゅう衝突があったけど……」

思い出すのは会社での私と洋介さん。

子供だった私は洋介さんに正論をぶつけられるとムキになってよく言い返してた。

それが今、私の大好きな人になっているんだから不思議よね。
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