エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
食事をすませ、食器をキッチンに持っていくが敢えて洗い物は後にした。

少しでも洋介さんと一緒にいたかったから。

「お待たせ〜」

コーヒーと買ってきてくれたケーキをローテーブに置く。

「ろうそくはどうする?」

「いいよ。だって10代じゃな——」

「俺が祝いたいんだ」

胸が高鳴り苦しくなる。

なんでそんなに私の欲しがってる言葉をさらっというの?

これ以上私を甘やかさないで。


ケーキにろうそくを1本だけさすと洋介さんがライターを取り出し火をつけた。

照明を落とすと洋介さんが冗談ぽく「俺が歌おうか?」と言う。

「聞いてる方が照れちゃうから……いい。消していい?」

「ああ」

ケーキに顔を近づけろうそくに向かって息を吹き掛けようとした。

その時だった。

息を吹きかけてないのに火が消えた。

洋介さんが私の代わりにろうそくの火を消した。

「え?なんで?」

「その唇を見たらキスしたくなったからって言ったら……怒る?」

「洋介さん……」

不意打ちのドキドキ発言に戸惑う中洋介さんが私の両頬に手を添え、ゆっくりと顔を近づけてきた。

そしてそっと唇を重ねた。

真っ暗になった部屋の中で私たちは啄むようなキスを繰り返す。

そして彼の舌先が口を割って入ってくると歯列をなぞられる。

全身の力が抜けてキスを受け入れるのが精一杯。

次第に彼に対する想いが抑えられなくなる。

唇が離れると私は心を決めた。
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