エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「泉には悪いけど私はそんな結婚認めないし、祝福もできない」

こずえは自分のことのように怒ってくれる。

「こずえの言う通りよね。できることならこんな結婚なくなればいいのにって思うでもね……」

私は今日あのラウンジに入ったことを深く後悔した。

あそこにいかなければ明久さんに会うこともなかったし、知らずにすんだのに。

するとこずえはカクテルを一気飲みすると、乱暴にテーブルに置いた。

「やっぱり許せない。ねえ、結婚するならその女と別れてって言っちゃえばいいじゃない。嫌だって言ったら彼氏の親でも自分の両親にでもバラせばいいのよ」

そうよね。

それがいいに決まってる。

だけど私の結婚には少なからず仕事が絡んでいる。

私が本当のことを言ったところで結婚が無しになるとは思えないし、下手をすれば私が悪者になるかもしれない。

浮気は男の甲斐性だと言われるだけだ。

結局私が我慢すればいいだけのこと……。

「ありがとう。こずえに聞いてもらえて気持ちが少し楽になったよ」

だがこずえは全く納得していない様子。

「気持ちが楽になったって結婚を白紙に戻せるわけじゃないじゃん……健斗!おかわり」

こずえはテーブルに突っ伏した。
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