エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「もちろん今すぐってわけではないですが鴨居の家に入るってことは君もいずれ社長夫人になります。そうなったら仕事なんてやってられない。それにも色々と覚えてもらいたいこともあるし……できれば家庭に入ると言う選択肢を入れて欲しいと思いまして」

こんな話が出るだろうとは思っていた。

だけどすぐには返事ができなかった。

「考えてみます」

明久さんは再び結婚式について話を始めた。

結局一言もノーと言わず、彼の言うままにイエスと答えた私の中で結婚への憧れは薄れていくばかりだった。





正式に式場が決まった連絡が入ったのはそれから一ヶ月後のことだった。

私に決定権はほぼなかった。

「へ〜クリスティンホテルなんだ。ってことは招待客もすごいんじゃない?」

「軽く3桁はいくって」

母がいい加減ドレスを選べって何度も催促の電話をかけてくるので、兄のお嫁さんである律子ちゃんに付き合ってもらうことになった。

律ちゃんは兄の奥さんだけど年齢は私と同い年なのだ。

だから義理の姉と言うよりも友達に近い。

「なんか他人事みたいな言い方だけど結婚するのは泉ちゃんなんだからね」

わかってるけど結婚に対する夢が崩れ始めている今、招待客も式場も関心がない。

何より今ドレスを選んでいるのも苦痛に思えるのだから重症だ。
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