エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「泉ちゃん待って」

足を止め律ちゃんを待つ。

「ねえ、どういうこと?なんかあったの?話なら聞くよ」

律ちゃんが心配そうに私を見た。

どうしよう、話すべき?

でも話をしたらショックを受けるに違いない。

そう思うと躊躇してしまう。

でも誰かに聞いてもらいたい気持ちもある。

「ねえ、うちに来ない?」

「いいよ」

私はタクシーを拾いマンションへと向かった。



「はいジュース」

「ありがとう」

私は律ちゃんの隣に座った。

「で?何があったの?」

「うん……その前に聞きたいいんだけど律ちゃんがお兄と結婚する時の決め手ってなんだったの?」

私が聞いているのは兄の一目惚れで猛アタックの末だった。

だが律ちゃんからは意外な言葉が返ってきた。

「実はね、私の……片思いなの」

「え?でもお兄は一目惚れだって」

律ちゃんは「今だから言うけど」と前置きをして話し出した。


兄と律ちゃんは同じ高校に通っていたのだそうだ。

兄が高3で律ちゃんが高1。

初めて見た兄に律ちゃんは一目惚れしたのだそうだ。

だが引っ込み思案で話しかけることもできず、少し離れたところで兄を見てはドキドキしていた。

それは兄が高校を卒業するまで続いたのだが結局一度も話すことなくそれきりとなった。
< 73 / 175 >

この作品をシェア

pagetop