俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
夏の暑さも和らいだ心地よい気候の中、王城の前庭を使用して、王太子主催のお茶会が催されているのだ。

レンガが丸く敷かれた一角に、五脚の椅子を備えた丸テーブルが十二個、置かれている。

白いテーブルクロスの上には豪華な焼き菓子やサンドイッチ、果物が並び、高級な茶器に香り高い紅茶が注がれていた。

招待客は、王都に屋敷を構える貴族の若者たち、五十九人。

王族が主催するパーティーにしては規模が小さい。

王太子は十六歳と年若く、その友人たちを集めての気楽な催しであるようだ。

男女の比率は七対三くらいであろうか。

男性はジャボという、襞のついたシルク生地の飾りを首に下げ、上質な上着の袖口からは、ブラウスの袖飾りのレースが大幅にはみ出している。

貴族は男性であっても、ひらひらの飾りを好むのだと、アリスは知った。

女性は色とりどりのアフタヌーンドレスを身に纏っている。

帽子を被り、リボンや宝石で飾り立て、田舎娘のアリスからしたら、全員がお姫様のように眩しく見えた。

(すごいドレス。もし私が着たら、どうなるのか)

生きる世界が違いすぎて憧れることはないが、ふとそのような想像をする。
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