俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
(微笑んでる? もう嫌われてないんだ。やっと仲間として受け入れてくれたみたい。よかった……)

嬉しくなって笑顔を返そうとしたら、グレンが持ち場を離れて歩き出した。

どこへ行くのだろうと目で追うと、グレンは談笑中の王太子に歩み寄った。

見習いのアリスは王族に声をかける権利を与えられていないが、正騎士は進言する資格を持つ。

若き王太子はややふくよかで、おっとりとした顔つきの、金色の髪をした少年である。

王太子の斜め後ろに片膝をついたグレンは、声をかけて、なにかを話していた。

その声はアリスまで届かないが、王太子は笑顔で頷き、なにかの許可を与えているように見える。

立ち上がったグレンがアリスを指さし、王太子の視線もこちらに向いたので、アリスはきょとんとした。

(もしかして、私の話をしていたの? 王太子殿下に気にしてもらえる存在じゃないと思うんだけど……)

グレンに手招きされ、アリスは戸惑いながら、ふたりのもとへ。

二歳下でおっとりとした顔つきであっても、次期国王である。

アリスは緊張から手が汗ばんだ。

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