俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
なにか言いたいことを、我慢しているような表情に感じた。

(いつものグレンさんじゃない。どうしてしまったの……?)

数秒してグレンは、迷いを断ち切るかのように「ああっ!」と地面に向けて低く叫ぶと、揺らしていた瞳をまっすぐにアリスに向けた。

戸惑うアリスの右手を取って両手で握りしめ、耳まで顔を赤くして言う。

「俺のためにそんな嘘までついて、なんて優しい奴なんだ。もう我慢できない。はっきり言わせてもらう。アリュースに惚れた。俺の恋人になってくれ」

「えっ……えええーっ?」

他に人のいない詰所の裏に、アリスの驚きの声が響く。

冗談だと思いたいが、グレンは陽気な性格ではなく、馬鹿を言い合える関係でもない。

これは本気の告白だと捉えたアリスは、慌てて手を振りほどき、壁際から離れると、グレンと三歩ほどの距離を取った。

「む、無理です。僕は男なので」

首を強く横に振って断ったが、素早く動いたグレンに距離を詰められ、再び手を握られた。

「アリュースなら、男でも構わない。よく見れば可愛い顔をしている。体つきは女のように華奢だ。愛せる自信がある」

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