俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「その自信、今すぐ捨ててください。僕は恋人になれませんから!」

必死に断っていると、視界の端になにかが動いた気配がした。

正面のグレンを警戒しつつ、視線を横に振ると、詰所の窓に人影があった。

それは医務室の窓で半分開いており、覗いているのは医師長だ。

アリスは医師長に向けて口をパクパクさせ、助けてくださいと、声に出さずに訴えた。

頷いてくれたので伝わったかと思ったが、医師長はニッコリ微笑んで手を振ると、窓を閉めてしまった。

そのままグレンに声をかけることなく、姿を消してしまう。

(助けてくれないの!? もしかして、邪魔しないでと言ったように思われたのか……)

勘違いをした男は、もうひとりいるようだ。

グレンが「アリュース」と熱っぽい声で呼びかける。

感激に瞳を潤ませ、嬉しそうに頬を緩めてアリスにお礼を言う。

「ありがとう。僕も好きですと言ってくれたんだな。これで俺たちは恋人だ」

「違います! そんなこと言って……な、なにする気ですか!?」

アリスの両肩を掴み、グレンは尖らせた唇を近づけてくる。

(絶対に無理。ファーストキスは好きな人としたいっぺーっ!)

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