俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「あっ……」
その腕には先ほどのような甘さや意地悪な感じはなく、ただアリスを安心させるためにしたことであるようだ。
アリスを抱えたまま、騎士団長が声を落として言う。
「夜が明けたら、国王陛下に奏上しよう。軍部にも連絡と話し合いの場を設ける。これから武具を量産しようというのなら、時間の猶予はある。焦らずに情報収集し、バルムンドとマレインの動向を正確に掴まねばならない」
医師長は頷いて同意し、「総帥は?」と尋ねる。
「一応、報告を入れておくか。いつも通り、お前に任せたと言われるだけだろうがな」
なにかを思い出してため息をついた騎士団長に、アリスは「総帥とは誰ですか?」と問いかけた。
初めて聞く役職である。
「ああ、そうか。お前はまだ会ったことがないな」
アリスの肩から腕を外した騎士団長が、説明してくれる。
王国騎士団の最高位は騎士団長ではなく、騎士団総帥なのだそう。
「総帥はプリッドモア公爵が務めておられる」
「貴族なんですか」
「そうだ。四十五歳になられるから、体力的な問題で剣は握らない。普段は王都の屋敷や公爵領におられて、必要な時だけ――」
その腕には先ほどのような甘さや意地悪な感じはなく、ただアリスを安心させるためにしたことであるようだ。
アリスを抱えたまま、騎士団長が声を落として言う。
「夜が明けたら、国王陛下に奏上しよう。軍部にも連絡と話し合いの場を設ける。これから武具を量産しようというのなら、時間の猶予はある。焦らずに情報収集し、バルムンドとマレインの動向を正確に掴まねばならない」
医師長は頷いて同意し、「総帥は?」と尋ねる。
「一応、報告を入れておくか。いつも通り、お前に任せたと言われるだけだろうがな」
なにかを思い出してため息をついた騎士団長に、アリスは「総帥とは誰ですか?」と問いかけた。
初めて聞く役職である。
「ああ、そうか。お前はまだ会ったことがないな」
アリスの肩から腕を外した騎士団長が、説明してくれる。
王国騎士団の最高位は騎士団長ではなく、騎士団総帥なのだそう。
「総帥はプリッドモア公爵が務めておられる」
「貴族なんですか」
「そうだ。四十五歳になられるから、体力的な問題で剣は握らない。普段は王都の屋敷や公爵領におられて、必要な時だけ――」