俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
呆れの目で見られてしまったが、騎士団長はフッと表情を和らげると、アリスに回した腕で頭を撫でてくれる。

「お前が側にいると気が楽になる。抱き心地もいい」

「抱き……!?」

思わせぶりな言葉に加え、蠱惑的な流し目に、アリスは鼓動を弾ませた。

顔に熱を集中させモジモジしていると、医師長が組んだ膝の上に頬杖をついて、嬉しそうに見てくる。

「女の子だと思って見ると、可愛い顔をしているね」

アリスは生まれた時から可愛いと言われ慣れている。

けれどもそれはコックス村に限ったことで、王都では自分の容姿が人並みか、それ以下だと知った。

せっかく褒めてくれた医師長に、遠慮がちに意見する。

「あの、王都に来た初日に、美女酒場で雇ってもらおうとしたんです。そうしたら経営者のおじさんが、鏡を見て出直してきなって……。色気もなにもないとも言われました」

その暴露に医師長は目を瞬かせ、真顔でさらりと言う。

「そうだね。色気はない」

自覚はあっても、少しのフォローもしてくれないことに傷ついていたら、医師長が瞳を優しく細める。

< 166 / 228 >

この作品をシェア

pagetop