俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「ええ。最近は歳のせいか領地から出たがりませんが、狩りや遠乗りを楽しんでいるようです」

総帥は医師長をフランシス君と親しげに呼んだ。

医師長は総帥をよく思っていないようだが、伯爵家の子息として子供の頃からの付き合いがあるのかもしれない。

簡単な挨拶が済めば、騎士団長が早速、本題に入ろうとしている。

総帥を最奥の席に座らせて、二席隣に腰かけた騎士団長は、ドア口に突っ立っているアリスに視線を向けた。

「アリュースは下がっていい」

「あっ……はい」

成り行きでついてきてしまったが、確かにアリスがいても意味はない。

「失礼します」と頭を下げて出ていこうとしたら、総帥に呼び止められる。

「待ちたまえ。アリュースとやら、君も同席したまえ。未来ある少年に、我々幹部が、どのような仕事をしているのかを見せるのもいいだろう。わしはあれこれと指示をするのを好まない。見て覚えろという方針なのだ。こういった指導の方が、有能な騎士が育つ。騎士団長よ、覚えておくがいい」

「わかりました……」

騎士団長の声には隠し切れない呆れが滲んでいた。

その気持ちはアリスも同じである。

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