俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
もうそんなところまで話し合いが進んでいるとは知らず、アリスは驚いて聞いている。

総帥に交互に説明しているふたりは、その声に緊張を漂わせており、アリスは昨夜よりもずっと事態の深刻さを身近に感じていた。

総帥は腕組みをして目をつむり、時折、頷きながら聞いている。

アリスたちと同じように、この事態を真剣に捉えているかと思いきや、全ての報告を聞き終えると目を開けてあくびをした。

そして、ひとことだけ指示を出す。

「よきにはからえ」

騎士団長と医師長はまたかと言いたげな顔をして、了解の返事をしている。

アリスはあんぐりと口を開け、心の中で総帥を非難する。

(なによ、それ。この人はなにもやらないし、考える気さえないんだ……)

そう思ったが、なにも考えていなかったわけではないらしい。

つまらない話が済んだとばかりに座り直して、組んだ手をテーブルにのせた総帥は、騎士団長に意欲的な目を向ける。

「わしが今日ここへきてやったのは、報告を受けるためだけではない。騎士団長によい話を持ってきてやったのだ」

意気揚々と話す内容は、アリスにとって、よい話とは真逆のものであった。

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