俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
アリスの中の総帥は、威張り散らすだけの怠け者で、迷惑な存在という認識だが、プライドが高く狭量で短気だという印象も書き加えられた。

総帥は廊下に出ていき、怒りの滲むその足音が遠ざかると、アリスはドアを閉めた。

(縁談話が流れてよかったけど、騎士団長は大丈夫なの? まさか辞めさせられたりしないよね……?)

ドアに向かって不安のため息をついたら、真後ろから肩に手をかけられて驚いた。

「ひゃっ!」

首を後ろに捻れば、若干、疲れた顔で口の端を上げる騎士団長がいる。

「なにをため息ついている。総帥の姪を妻にした方が、お前はよかったのか?」

「そ、そんなことはありません。ですが、今後、騎士団長になにか圧力がかけられたらと心配で……」

アリスの肩を引いて体ごと振り向かせた騎士団長は、その腕に華奢な体を抱きしめる。

アリスは広い胸に頬をあて、頼りがいのある腕に守られた。

思わず鼓動を高まらせれば、アリスの髪に鼻先を埋めるようにして、騎士団長が言う。

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