俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「あっ……」

一瞬で唇を奪われ、アリスは幸せの中で目を閉じた。

すると、「ねぇ」と声をかけられて、ふたりは揃ってハッとした。

「俺がいること、忘れてる?」

淡白な口調でそう言ったのは、医師長だ。

テーブルに頬杖をついて呆れの目を向けているが、嘆息した後はからかうようなこと言う。

「とっくに肉体の繋がりがあると思っていたのに、やっと気持ちを確かめ合ったところとはね。ふたりともウブだな」

アリスを離し、照れくさそうに頬を染めた騎士団長が、「フラン」と呼びかける。

それ以上はやめてくれと言いたげだ。

アリスは大きな背中に隠れるようにして、恥ずかしさに身を縮こまらせている。

医師長は余裕のある笑い方をして立ち上がると、白衣のポケットに手を入れて、ふたりの方へゆっくりと歩み寄る。

「医務室に戻るよ。盛り上がってもいいけど、声を出さないように。女だとバレたら大変だよ」

アリスの羞恥をさらに高まらせるようなことを言ってから、ドアを開けて出ていった。

「フランの奴は、ここぞとばかりに楽しんでるな。俺で遊ぶなと言っておいたのに……」

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