俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
文句をため息とともに吐き出した騎士団長は、まだ熱の引かない顔をしているアリスの頭に、ポンと手を置いた。

その口角はつり上がり、医師長を非難しておきながら、自分も楽しそうである。

「お前はこれから昼食か? 俺は仕事に戻らねばならない。悪いが盛り上がっていられないんだ。続きは夜に……な」

色のある声で囁くように言われ、思わずアリスは騎士団長との情事を想像してしまった。

動揺して目を泳がせ、これ以上ないほどに火照る顔を両手で隠す。

騎士団長はクスリとし、アリスを残して廊下に出ていく。

(続きは夜……。そんなことを言われたら、ドキドキして午後の訓練に集中できないっぺ……)

静かな室内で、アリスは胸に手をあてる。

騎士団長の意地悪で甘い誘いに、乙女心を乱されるのであった。


「失礼します。ロイ騎士団長、朝です。お疲れと思いますが、そろそろ起きないと……」

アリスが身支度を済ませても、隣の部屋のカーテンが開けられないので起こしにきた。

例のマレイン王国のことで連日遅くまで国軍や王族、関係各所と話し合いを続けているため、騎士団長の睡眠時間が削られている。

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