俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
王太子たちの三メートルほど後ろには、マレインの護衛兵がふたりついている。

草色の兵服を着た彼らを待っているのだ。

その姿が、石壁に切り取られた視界に入ったら……騎士団長が俊敏に飛び出した。

護衛兵のひとりが驚きの声を発する間もなく、みぞおちを突かれて崩れ落ちた。

もうひとりは、他の騎士に同じように仕留められている。

倒した護衛兵ふたりは、パトリックたちが抱えて、建物間の通路に引っ張り込む。

住人たちに気づかれ通報されないよう、それは瞬時に完璧な連携で行われ、騒ぎになることはなかった。

騎士団長の作戦通りである。

アリスにも役目がある。

騎士団長たちが護衛兵を片付けている間に、王太子の進路を塞ぎ、足を止めさせていた。

「なに奴だ!」と驚いた王太子だが、すぐにアリスの顔を思い出したようだ。

「お前は樽乗りのアリュースではないか。なぜマレイン王国にいるのだ」

「助けに参りました。詳しい話は後ほど。急いでこちらへ」

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