俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
騎士団長の口から説明を聞き、王太子の顔色はみるみる青くなる。

自分が人質とされそうになっていたと知り、恐怖に震えていた。

「そのようなことが起きていたとは……。危ういところであった。助けに来てくれたことに感謝しよう」

「ありがたきお言葉は、無事に帰りついてから拝受いたします。これから国境沿いの町、ボネビスクへ移動します。日が暮れる前にライル川を越え、コルドニア領内に入らねばなりません」

倒した護衛兵は気絶させただけである。

口封じに命を奪ってしまえば、マレイン側に戦争の口実を与えかねない。

こちらから仕掛けたとされると、他の友好国のコルドニアを見る目が変わってしまう恐れもあり、得策ではない。

気絶している護衛兵には、さらに医師長秘伝の麻酔薬を嗅がせ、パトリックたちが人目につかぬ場所に寝かせているはずだが、いつ目覚めるかわからず、安心してはいられない。

王太子がいつもの時間に帰らないことを屋敷の使用人が不審がるかもしれないし、交代の兵が来たら捜索は免れない。

逃げたことに気づかれて追手がくる前に、マレイン王国から脱出しなければならないのだ。

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