俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
騎士団長が説明を終えると、パトリックがノックの後に入ってきた。

敬礼の姿勢を取り、「準備ができました」と報告する。

頷いた騎士団長は、用意していた衣類を王太子と近侍に渡す。

「粗末なもので申し訳ございませんが、これにお着替えください」

「変装か」

「その通りです。これから先、我らはただの旅人。馬に乗り、ボネビスクに入った後は、徒歩で移動します。それからのことは道中で説明しますので、お急ぎを」

「わかった」

それから一時間後、一行は無事にボネビスクに到着した。

町の馬貸しに乗ってきた馬を預け、八人はライル川を目指して黙々と歩く。

国境沿いの町なので宿屋が多く、旅人や旅商人の姿が当たり前のように見られた。

そのおかげでアリスたちに視線を止める者はなく、今のところ追手の気配もない。

ここまでは順調のようだ。

アリスは活気ある通りを、王太子の後ろを守るように歩きながら考えている。

(王太子殿下がひとりで馬に乗れないとは驚いた。貴族はそういうものなの? 違うよね。遠乗りや狩猟は男性貴族の娯楽だもの。王太子殿下は特別に馬術の才能がないということか……)

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