俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
一番小柄なアリスは前が見えず、なんだろうと思っていたら、艶があり、低く澄んだ声が響いた。

「騎士団長のエドガー・ロイだ。誉れ高きコルドニア王国騎士団への入団希望に、まずは敬意を示そう。だが、我々の求める水準に達しない者は必要ない。即刻、帰ってもらう。騎士団は……」

口調に厳しさのあるロイ騎士団長の姿を、アリスはまだ見ることができずにいる。

どんな人なのだろうと気になり、男たちの間から顔を覗かせて、目を丸くした。

左右に部下を従えた騎士団長は、想像を超えた美青年である。

黒っぽい焦げ茶色の短髪で前髪はスッキリとし、凛々しい眉と切れ長の涼しげな瞳も同色だ。

卵形の顔に筋の通った鼻と、少し薄い形のよい唇。

体つきは逞しく長身で、手足はすらりと長い。

騎士服の左胸には勲章が七つも輝いており、ベルトに挿した剣の柄に左手を置く仕草が、なんとも自然であった。

剣術の心得のないアリスにも、ひと目で強者とわかるような雰囲気を持ち、歳は二十七、八くらいだろうか。

若くしてその地位に就いていることにも驚かされる。

(なんてかっこいい人だろう。村には、こんな男の人、いなかった……)

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