俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
うっかり頬を染めてしまったが、話している最中の騎士団長と目が合ってしまい、慌てて顔を引っ込めた。

きちんと整列していないことで、印象を悪くしたくない。

乙女心からの心配ではなく、入団試験の合否を気にしたからであり、熱い頬の熱はすぐに冷める。

(私はもう、女を捨てたのよ。絶対に合格して、あの黒い騎士服を着て見せる)


それからあっという間に数時間が経ち、正午の鐘を聞いたのは一時間ほど前だ。

アリスは訓練場の赤土に膝をついて、ガックリとうなだれている。

すぐ側で合格を喜んでいる若者が三人いて、他の者は不合格。

騎士団長からアリスに言い渡されたのも、不合格であった。

(こんなの嘘よ……)

試験内容は基礎的な身体能力を問う腕立て伏せや腹筋背筋、垂直飛びなどと、短距離走に持久走、乗馬と木剣での素振りであった。

やはり女の体では、他の入団希望の男たちに力負けしてしてしまう。

けれども乗馬については、ロイ騎士団長に『よし』と言われた。

持久走は上位の方。日頃、デイブから逃げ回っていたのが役に立ったらしい。

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