俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
騎士団長に迷惑をかけぬように指示に忠実であろうとだけ心掛け、この五日間、アリスなりに奮闘した。

なんとか迷惑をかけず、王太子を宿まで連れていくという大事な役目も果たし、大橋が見えた今はホッと息をつく思いでいる。

(日没に間に合いそう。橋さえ渡れば、国に戻れる……)

その時、先頭を進んでいた騎士団長が急に進路を変えた。

このまま進めば大橋だというのに道を折れ、貿易商の倉庫裏の路地へと入っていく。

王太子は戸惑い、声をかけようとしているが、近侍に止められていた。

他の騎士は無言で騎士団長に続き、アリスも緊張感を取り戻してついていく。

路地には壊れたワイン樽や割れた瓶などのごみが散乱し、かび臭く湿っている。

騎士団長が足を止めて振り向いたので、王太子が小声で問いかけた。

「どうしたんだ。あと少しで国境ではないか」

騎士団長は警戒の視線を路地の左右と上方にまで向け、安全を確認してから声を落として答える。

「国境警備の兵士の数が、入国時より増えています。王太子殿下が行方不明だという情報が、すでにこの町に伝わったのかもしれません」

「なに!?」

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