俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
倒した護衛兵が目覚めたのか、屋敷の使用人や交代でやってきた兵が気づいたのかはわからないが、由々しき事態である。

この町まで乗ってきた馬貸しの馬と、マレイン兵の有する選りすぐりの馬とでは脚力が桁違いだろう。

兵士が早馬を走らせれば、アリスたちの半分ほどの時間で到着するのは可能だと思われた。

予想より早い事態にアリスは冷や汗を流し、王太子は慌てだす。

「どうすればいいのだ。なんとかしてくれ。我が国の王子は私の他にいない。私が戻らねば国家の存亡に関わる」

「落ち着いてください。この命にかえても、王太子殿下を必ずやコルドニア領内までお連れしますので」

険しい表情でそう言った騎士団長は、騎士たちに指示をする。

「ここからは二手に分かれる。八人の集団では目立ってしまう」

正騎士三人とパトリックと近侍の五人は、ライル川を船で渡ることにする。

王太子は、騎士団長とアリスの三人で、予定通り大橋から国境を越えるという作戦だ。

なぜ近侍を守る騎士の方が多いかというと、おとりにするためだ。

近侍に王太子のふりをさせ、敵兵の注意を引きつける。

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