俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
敵兵はこちらの正体を確信しているようで、とぼけてやり過ごすことはできそうにない。
騎士団長はマントを脱ぎ捨てると、腰に隠し持っていた短剣二本を両手に構えた。
それを見て、相手が薄ら笑う。
「コルドニアの騎士は愚かなのか? 我ら五十余名を相手にたったふたりでどう戦おうというんだ」
嘲るような敵兵の言葉に、騎士団長が鼻を鳴らした。
「たったふたりではなく、ひとりだ。お前ら如き若輩者の集団は、俺ひとりで充分」
「なんだと……?」
騎士団長が短剣を振り下ろした。
(えっ……?)
斬ったのは敵兵ではない。
アリスの数歩隣では、気の毒にも巻き込まれてしまった旅商人が、馬の手綱を握ってうろたえていた。
騎士団長が斬ったのはロープで、それによって馬の背に積まれていた大きな麻袋八つが、どさどさと馬の左右に落ちた。
栗毛の馬は、粗末な鞍をつけただけの身軽な姿になる。
「すまないが、借り受ける」
そう言った騎士団長は、馬の手綱を商人から奪うようにして引っ張り、アリスに命じた。
「お前は王太子殿下を乗せて、関所を突破しろ」
騎士団長はマントを脱ぎ捨てると、腰に隠し持っていた短剣二本を両手に構えた。
それを見て、相手が薄ら笑う。
「コルドニアの騎士は愚かなのか? 我ら五十余名を相手にたったふたりでどう戦おうというんだ」
嘲るような敵兵の言葉に、騎士団長が鼻を鳴らした。
「たったふたりではなく、ひとりだ。お前ら如き若輩者の集団は、俺ひとりで充分」
「なんだと……?」
騎士団長が短剣を振り下ろした。
(えっ……?)
斬ったのは敵兵ではない。
アリスの数歩隣では、気の毒にも巻き込まれてしまった旅商人が、馬の手綱を握ってうろたえていた。
騎士団長が斬ったのはロープで、それによって馬の背に積まれていた大きな麻袋八つが、どさどさと馬の左右に落ちた。
栗毛の馬は、粗末な鞍をつけただけの身軽な姿になる。
「すまないが、借り受ける」
そう言った騎士団長は、馬の手綱を商人から奪うようにして引っ張り、アリスに命じた。
「お前は王太子殿下を乗せて、関所を突破しろ」