俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
驚きの波が引いていけば、代わりに歓喜が押し寄せ、アリスの目には騎士団長の顔が見えなくなるほどの涙が溢れた。

(田舎娘なのに、こんな私を妻にしてくれるなんて……)

泣き顔を両手で覆って隠せば、手首を掴まれて外され、シーツに押さえつけられる。

しゃくりあげるように泣くアリスを、騎士団長は愛しげに見つめ、瞼に口づけて甘く囁く。

「異論はないな?」

「は、い……」

唇が重なり、水音が立つほどに濃く深く交わる。

騎士団長の手はアリスの騎士服のボタンを外し、貫頭衣の裾を捲り上げて、胸に巻いたサラシも取り外そうとする。

(私を、抱くつもりなの……!?)

ビクッと体を揺らしたアリスは、慌てて顔を背けてキスから逃れ、騎士団長に自制を求めた。

「待ってください。まだ正式に結婚していないですし、なによりロイ騎士団長のお体が……」

どんなに愛していても、急に初夜を迎えるなどと、ウブなアリスは戸惑わないわけにいかない。

加えて医師長に安静を指示されたのだから、今夜は回復に努めるべきだと心配する。

すると、「名前で呼べと言ったろう」と注意された。

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