俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「バレなきゃいいのに……」

不満を呟いてモソモソと食べ始めるアリスは、またしても疑心に囚われる。

(これも嫌がらせだったりして。やっぱり私を辞めさせたいのかな……)

そう思ってしまう理由は、他にもある。

夜間警備の任務に当たっていない騎士たちは、夕食後からそれぞれの部屋で自由に時間を過ごすことができる。

けれども見習いのアリスは食事の後、約二百人分の皿洗いをしなければならない。

皆が入った後の沐浴場の掃除もだ。

それらは本来メイドの仕事であるのに、仮入団初日から、アリスの役目とされたのである。

それを命じた騎士によると、騎士団長の意向だという。

雑用でもなんでもするから入団させてほしいと頼んだのはアリスだが、訓練後の疲労困憊の状態での皿洗いは、きついものがある。

(私だけ、みんなと扱いが違う。騎士団長は私を虐めて、追い出そうとしているんだ……)

なんとか前向きになろうとしていた気持ちは、食べきれない量の食事を出されたことにより、そのような結論に落ち着いてしまった。

すると、怒りと悔しさが湧き上がる。

アリスは子供の頃から負けず嫌いな性格だ。

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