俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
昨日までは心地よい風が吹いていたのに、今日は無風で、雲ひとつない夏空からは強烈な日差しが降り注いでいる。

訓練メニューは前日とほとんど変わらない。

アリスだけ皆とは別で、地味で苦しい筋力トレーニングと走り込みを延々とやらされていた。

広い訓練場を百周しろと命じられ、九十五周目で疲労した足がもつれ、転んでしまう。

(膝、擦りむいたかな。でもそれより筋肉痛の方がきつい。腕も足も全身痛くて、じっとしていてもつらいのに、百周って……)

赤土に座り込んだアリスは、荒い呼吸を繰り返しつつ、痛みに顔をしかめて騎士服の上着を脱いだ。

(今日は暑くて、長袖なんか着てられない。胸に巻いたサラシも取りたいくらいよ。みんな、よく平気な顔して上着を着ていられるわね……)

訓練中の騎士たち七十人ほどは皆、黒い騎士服をしっかり着たままで、アリスはそれを不思議に思った。

ひとりだけ白い木綿の貫頭衣姿になったアリスは、流れる汗を手の甲で拭う。

すると、突然、頭に水をかけられた。

驚いて振り向けばロイ騎士団長が立っていて、厳しい面持ちで見下ろしてくる。

< 33 / 228 >

この作品をシェア

pagetop