俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
指摘されて洗髪途中であったことを思い出したアリスは、騎士団長の厚意に感謝し、洗ってしまうことにする。

なるべく早く済ませようとの思いから、椅子に座らず腰を折り曲げて頭に湯をかけた。

すると鼻に湯が入り、むせ返る。

「お前はどこか抜けているよな……」

斜め後ろに呆れ声がして、それからギクリとすることを言われる。

「なぜ服を着たままなんだ?」

「あっ、これは、その……」

動揺から止めてしまった手を焦って動かしつつ、平静を装って言い訳する。

掃除の後に脱衣場に戻って脱ぐのが面倒であることと、下着の洗濯にもなるから一石二鳥だということを。

「洗いにくそうで、俺にはかえって面倒に思えるがな」

そう言いつつも、騎士団長はアリスの嘘を信じた様子で、側を離れた。

アリスの後ろで、椅子に座った気配と、湯槽の湯をくむ音がした。

そっと振り向けば、背中の筋肉美も麗しく、乙女心が刺激される。

(男の人に、綺麗だと思うのは、おかしいかな……)

タオルに石鹸をつけて腕から洗い始めた騎士団長は、後ろを向かずに口を開く。

「なにを見ている。俺の背中になにかついているのか?」

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