俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
もう一棟は、老夫婦が前の従業員とともに暮らしていた平屋の大きな屋敷だ。

築年数は百年ほどと思われ、ひび割れて何度も塗り直したような漆喰の壁の、コの字形をしている。

風車と家屋は、のどかなオリーブ畑の広がる一帯に不似合いな、高い鉄柵で囲われている。

近隣の農家によると、この鉄柵も経営者が新しくなってから設けられたものであるそうだ。

そして出入りしているのは、人相の悪い男たちが数十人。

その情報をもとに王国騎士団が調査した結果、ここがコズメル盗賊団のアジトであるとわかった。

コズメル盗賊団とは、王都内での窃盗や強盗、王都に出入りする行商人の馬車を狙う悪党集団である。

騎士団はこれまで一味の者を何度も捕えてきたが、トカゲのしっぽ切りで、親玉を捕えない限り組織はまた人数を増やして犯罪を繰り返すらしい。

親玉がここにいるかどうかまでは、突入してみなければわからないとのことだが、その可能性は充分にあるとロイ騎士団長は考えているようだ。

< 78 / 228 >

この作品をシェア

pagetop