俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
石畳が敷かれた広い道は、田舎にはいない立派な身なりをした街人で賑わい、二頭引き、四頭引きの豪華な馬車が闊歩している。

遠くに見える尖塔を備えた巨大な館は王城だろう。

そこに向けて真っすぐに延びるこの道はおそらくメイン通り。

三階、四階建てのレンガや石造りの建物が立ち並んで、田舎者のアリスは圧倒される。

一階は店舗になっている建物が多く、これだけあればアリスを雇ってくれる店はすぐに見つかると思われた。

できれば住み込みで働けるところがいい。住む場所を探す手間が省けるからだ。

「よーし」と気合を入れたアリスだが……。

『うちは人手が足りている。雇えないな』

一軒目のパン屋で首を横に振られたあと、手当たり次第に三十ほどの店を訪ねたが、全てに断られてしまった。

メイン通りの店は格式が高そうな雰囲気があるから駄目なのかと思い、中道に折れた通り沿いに建つ、庶民感あふれた店に入ったが、結果は同じである。

焦るアリスは、四十軒目に断られた雑貨屋の店主に苦情をぶつける。

「なんでどこも雇ってくれないんですか。よそ者は駄目だという決まりでもあるの?」

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