浅葱の花にとまる蝶
いや、あの男の人が本物っぽい刀出した時から分かってたよ!?
分かってたけどさ!!
これって…
「タイムスリップってこと!?!?!?」
「さ、さくらはん?」
突然わけのわからない言葉を発狂した私を心配そうに見つめる明里さんに名を呼ばれて現実に戻ってくる。
(明里さんに心配かけちゃだめだめ!!)
「あ、いえ!なんでもないです!変な事聞いてすみませんでした。帰りは大丈夫ですか?」
「へぇ。店はすぐそこやから大丈夫です。何から何までおおきに、さくらはん。」
改めて頭を下げられて慌てて
「いえいえ!明里さんがご無事で良かったです!!」
と伝える。
お互い顔を上げて「ではまた」と背を向けたところで「さくらはん!!」と呼び止められる。
「???」
「あの、私が働いとる店は「角屋」いいます。もし店による際は番頭はんに「明里に言われて来た」と伝えておくんなし。」
「角屋ですね?分かりました。よる際は必ず!」
そう言って明里さんと別れた。
は、良いがさてこれからどうするべきか…
(文久3年と言ったらちょうど新撰組がいる頃だよね…ん?いや、まだ壬生浪士組か。)
(んで4月だから芹沢鴨は普通に生きてて…)
先程投げ捨てたリュックを拾いながら考える。
(…あれ?この辺に投げたと思ったんだけど違ったかな…)
何故だかリュックが見当たらない。
一旦リュックのことだけを考える。
まずい、あれはこの時代には無いものだから見つかれば良くないだろう。
やばいやばいと焦って探していると頭の上から楽しげに声をかけられた。
「探しているのはこれですか?」
と。