悪役令嬢ですが、チートが目覚めて溺愛されています

『食べ物はいいわよ。明日もたくさんカロリーを消費するから。でもお酒はがぶ飲みしちゃダメ』

『うえーい。いっただっきまーす!』

 事件の翌日から警備隊は破壊された建物の修理に駆り出されることが決まっていた。

 なのでアリスは酒を禁じ、夜も早い時間に彼らを就寝させた。

 その様子を見て、軍隊も「なんと強い自制心を持った奴らだ」と感服したらしい。

 できることならこれからも王都に滞在して復興の役に立ちたいところだが、国境を守っている隊員たちをそのままにはしておけない。

 手薄である今敵に責められたら、大変なことになってしまう。

「ダメだ。今日は国境に帰るんだから」

 ルークに布団を剥ぎ取られ、アリスは完全に覚醒した。

「そうだった! やっと帰れるんだ!」

 ベッドから跳び起きたアリスは、クローゼットのドレスを手に取った。

 国王は滞在中、ルークとアリスを手厚くもてなした。

 特にアリスは新しいドレスとアクセサリーをクローゼットごと贈られた。

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