特殊護衛団の最強姫
「本当にわざわざありがとうございました...!」
「お兄さん、お姉さん!また遊んでね!」
何度も何度も頭を下げる母親と楽しげに手を振る子どもに、私と王子様は揃って会釈を返す。
散々遊び尽くしたあと、私達は子ども達ひとりひとりを家まで送り届けた。
しかし、1番家が遠かった最後のひとりを送り終わった頃には、辺りはかなり暗くなっていて。
しかもそこはお城から離れた場所だったため、私達は近道を通って帰ることになった。
「おい、なぜそんなに離れて歩く。隣を歩けばいいだろう。」
人気の無い道を歩いているとき、突如振り返った王子様は私にそう言う。
私の立ち位置は王子様の3歩ほど後ろ。
これが従者、及び騎士の適切な距離なのだ。
「私はあなたの騎士ですので。隣を歩くことは出来ません。」
「フッ....さっきはあんなに怒鳴り散らしていたのにか?」
「それとこれとは話が別です。」
私の言葉に、王子様は小さく笑う。
今日を通して 王子様はよく笑顔を見せてくれるようになっていた。
「いいから隣を歩け。」
「...かしこまりました。失礼します。」
一礼してからスッと隣に立てば、王子様は満足気に目を細める。
なんでだろう、緊張してきた。
王子様ってこんなに大きかったんだ。
チラリと横を盗み見てみれば、ちょうど王子様もこちらを見ていて。
「よし、帰るぞ。」
「はい。」
なんだかむず痒い思いを感じながら、歩き出そうとしたその時だった。