特殊護衛団の最強姫



良かった、間に合った!


安心したその瞬間、視界がぐにゃりと大きく歪む。


立っていられないほどのその衝撃に、私は思わず膝から崩れ落ちた。



「ッおい!!大丈夫か!!!」



...これは毒か。


それも、かなり強い毒。


慌てて駆け寄ってきた王子様に体を支えられながら、私は脇腹に刺さった弓を勢いよく引き抜く。



「うぐっ...!」



額に滲む脂汗。


溢れ出した血で、団服の白は赤く染まる。


でもこれで、これ以上体に毒が回ることはなくなった。



「だい...じょうぶ、です。王子様、汚れちゃうから離れて....。」


「バカか!そんなこと気にするな!!」


「ふ...ありがとうございます。でも本当に...大丈夫ですから。」



傷口を抑えて止血しようとしてくれている王子様をそっと制して、なんとか笑顔を見せる。


よし、いける。


まだ動ける。


私は大きく深呼吸をして、ゆっくりと立ち上がった。



「あんたどうなってんの!?なんであれを食らって生きてるわけ!?」


「はは.....毒にはちょっと強いんだよね、私。」



一歩一歩、鈍器で殴られるような激痛に耐えながら男に近づいていく。


男はもう完全に戦意を喪失したようで、尻もちをついて後ずさりしている。



「こ、来ないで!!!バケモノ!!」



バケモノ...か。


久しぶりに言われた。


フッと渇いた笑みをこぼして、私は男の目の前に立った。


感覚はもうほとんど無くなっていた。



「ねえ....ロイド様に復讐って、どういう意味?」



まずい。


視界がぼやける。


飛びそうになる意識の中、なんとか男にそう問えば、男は震えながらやけくそに叫んだ。



「あたしの愛に応えてくれないからよ!!こんなにも愛してるのに、ロイドはあたしを拒む!!だからロイドの愛するこの街を襲ったのよ!」

< 54 / 60 >

この作品をシェア

pagetop