特殊護衛団の最強姫




side.セシル





「リオ!!しっかりしろ!!!」


「リオちゃん!!目を開けて!!」



崩れ落ちるように倒れた女に、特殊護衛団の騎士団長と医療騎士___ルーカスとテンが駆け寄る。


その間に、他の特殊護衛団員達は座り込む男を手際よく縛り上げていて。


遅れてやってきた護衛団の団員達も加わり、その場はあっという間に収束に向かっていた。



しかし、俺はひとり、その場から動くことが出来なかった。



...何が、起こったんだ?


絶対に勝ち目がないと思った大量の魔物を、いとも簡単に倒してしまった女。


信じられない強さを見せたその女が、今、目の前でピクリとも動かなくなっている。


...そうだ。


俺を庇って、弓で射られたんだ。


なんの躊躇もなく飛び込んできて、それで...




「は、ははははは!!!」



その時、突然響いた男の笑い声。


俺の意識はハッと現実に引き戻される。



「...その子、もうダメね。あの毒は、どんな魔物も...猛獣だって即死させるほどの威力を持つのよ!!」


「おい!喋んな!」


「あれをまともに食らって動けたのには驚いたけど...もう何をしてもムダ!!あはははは!」


「喋んなっつってんだろ!!」



狂ったように笑う男は、赤髪の特殊護衛団の騎士ガイアに、引っ張られるようにして護送車まで連れて行かれる。


しかしその途中、俺の横を通り過ぎようとした時に、ピタリと足を止めた。

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