みずあめびより
出社した時、出勤時刻を記録する為のICカードをドア近くに設置してある機械にかざすのを忘れてしまったのだ。
ドアの開閉にもICカードが必要なので、普段はカードでドアを開けた後にそのカードを機械にかざして出勤時刻を記録している。しかし今朝はちょうど他の人がドアを開けて入るところだったので、自分のカードを使わず後についていった。
誰かの後について入室することはこれまでもあったが、今日は鈴太郎のメールのことで頭がいっぱいで、その後カードを出して出勤時刻を記録することなくそのまま席についてしまったのだった。
出勤時刻の記録を忘れた場合、システムから時刻を申告してチームリーダーに承認をもらわなくてはならない。申請画面に入力をすると、重い足取りで鈴太郎の元に向かう。
「・・・葉吉さん、お忙しいところすみません。」
消え入りそうな、か細い声で声をかける。
「!」
彼は驚いてパソコン画面から顔を上げた。
「あの・・・朝、カードをかざすのを忘れてしまって、出勤時間を記録できなかったので、システムから申請するのでお手数ですが承認をよろしくお願いします。」
「・・・珍しいな。」
「電車からちょっとボーッとしちゃって・・・。」
───はっ!これ言っちゃだめじゃない?
思わず言葉がポロッと口から出てしまい、口元をおさえる。
「・・・。」
───もしかして、俺のメールのせいか?
衣緒の顔を見つめていると彼女は慌てて頭を下げ席に戻ろうとする。
「す、すみません。よろしくお願いします。」
「出勤時刻の記録忘れ、皆もよくやるから。声かけずにそのまま申請してくれていいよ。こっちに通知来るからすぐ承認する。」
「はい、ありがとうございます。お忙しいところすみません。」
彼の言葉に萎縮していた気持ちが少し緩み、再び頭を下げ今度こそ席に戻ろうとすると、すぐ近くの北岡の椅子の脚にガッとつまづいてしまった。
ドアの開閉にもICカードが必要なので、普段はカードでドアを開けた後にそのカードを機械にかざして出勤時刻を記録している。しかし今朝はちょうど他の人がドアを開けて入るところだったので、自分のカードを使わず後についていった。
誰かの後について入室することはこれまでもあったが、今日は鈴太郎のメールのことで頭がいっぱいで、その後カードを出して出勤時刻を記録することなくそのまま席についてしまったのだった。
出勤時刻の記録を忘れた場合、システムから時刻を申告してチームリーダーに承認をもらわなくてはならない。申請画面に入力をすると、重い足取りで鈴太郎の元に向かう。
「・・・葉吉さん、お忙しいところすみません。」
消え入りそうな、か細い声で声をかける。
「!」
彼は驚いてパソコン画面から顔を上げた。
「あの・・・朝、カードをかざすのを忘れてしまって、出勤時間を記録できなかったので、システムから申請するのでお手数ですが承認をよろしくお願いします。」
「・・・珍しいな。」
「電車からちょっとボーッとしちゃって・・・。」
───はっ!これ言っちゃだめじゃない?
思わず言葉がポロッと口から出てしまい、口元をおさえる。
「・・・。」
───もしかして、俺のメールのせいか?
衣緒の顔を見つめていると彼女は慌てて頭を下げ席に戻ろうとする。
「す、すみません。よろしくお願いします。」
「出勤時刻の記録忘れ、皆もよくやるから。声かけずにそのまま申請してくれていいよ。こっちに通知来るからすぐ承認する。」
「はい、ありがとうございます。お忙しいところすみません。」
彼の言葉に萎縮していた気持ちが少し緩み、再び頭を下げ今度こそ席に戻ろうとすると、すぐ近くの北岡の椅子の脚にガッとつまづいてしまった。