みずあめびより
「・・・あれ?ここじゃないのかな?」

しばらく操作を続けるとシステムに繋がった。

「・・・ありがとうございました。」

「・・・いや。」

───あ、こんなに顔近かったんだ・・・。

鈴太郎はそこでようやく衣緒との距離の近さに気がついた。

「・・・。」
「・・・。」

思わず見つめあってしまった。

「わ、悪いな。備品の準備任せちゃって。」

鈴太郎は焦って彼女から体を離して言った。

「いえ!私の仕事ですから!葉吉さんすごくお忙しいですし・・・。」

衣緒も慌てて俯いてから言った。

「悪いけど頼むな。」

「はい。」

「・・・じゃ、明後日、会場の前で。駅から歩いて10分ちょっとだから。」

「わかりました。」

───出張の間に話さなくちゃ・・・でも私なんかとはもう話したくないかな。葉吉さんにはあの女性(ひと)がいるし・・・。私みたいなのよりずっと・・・。


新幹線が駅に着いて待ち合わせ場所の展示会会場まで向かおうとすると駅前で鈴太郎が待っていた。
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