みずあめびより
「お部屋もすごく素敵なのにさらにテラスがあるんですね。」

衣緒はそう言って広くてナチュラルな雰囲気の部屋を見渡す。

大きなソファとローテーブルが置かれた洋室スペースには
ボタニカル柄のカバーがかけられたツインベッド、5人くらい寝られそうな和室スペースには琉球畳が敷かれ、時計やポット、空気清浄機等の備品も凝ったデザインかつ部屋に馴染むものだった。

「来てみな。星も見えるよ。」

鈴太郎について外に出ると頬を撫でる風が心地良い。

「わぁ、素敵・・・。」

白く塗られた木で出来た広いテラスには大きな長方形のテーブルと、それを取り囲むように壁際にベンチがある。洒落たランプに灯りが灯っていて、ライトアップされた中庭が見える。

鈴太郎がベンチに座ったので衣緒も彼から距離をとって座る。

「波の音聴きながら星を見るなんて、普段は出来ないですよね。私海の近くで育ったから懐かしいです。あー癒される。」

「・・・。」

鈴太郎は無言で、気持ち良さそうに風に髪をなびかせる彼女の横顔を見つめる。

「・・・。」

衣緒が視線に気づいて鈴太郎の方を見ると、その瞳に切な気な光が揺れていることに気づく。
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