みずあめびより
「・・・新貝と・・・付き合うのか?」

静かで悲しそうな声だった。

「え??」

「あの日屋上で・・・。」

鈴太郎は消え入りそうな声でそう続けると目を伏せる。

「ち、違いますよ!!あの日はきちんとお断りする為にお話させて頂いたんです。」

慌ててそう言うと彼はパッと視線を上げた。

「・・・そうなのか?」

衣緒は自分に向けられる強い視線に、こくん、と頷く。

「お気持ちにお答えできない旨はお伝えしました。・・・でも、その、なんていうか、だ、抱きしめられたりとか、指で唇に触れられたりとか、ほっぺにチューされたりとかはあって・・・。」

「!!!!!!!!!!」

しどろもどろで報告すると彼は険しい顔になる。

「・・・ごめんなさい。軽い女って思いますよね。」

萎縮して俯くと、鈴太郎は表情を緩めて尋ねてきた。

「いや、そんな風には思わないけど。何でそんなことになった?」
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