みずあめびより
「・・・ええと、あの・・・。」
聞こうと決心したもののやはり言い淀んでいると、鈴太郎が『ん?』と優しい目で覗きこんできた。その目に背中を押され思い切って疑問を声にする。
「・・・その、お祭りに行った帰り、駅前で一緒にいらした背の高いショートカットの女性とはその・・・。」
「え?」
彼のその低い声に、聞かなければよかったと後悔したが後の祭りだった。
「そ、その葉吉さんの分のサボテンを渡し忘れて戻ったら見かけて・・・ご、ごめんなさい。あの、何でもないです。忘れて下さい・・・。」
結局サボテンは会社の鈴太郎のデスクに彼が不在の時に置いておいたのだった。
「そうだったのか。彼女はうちの下に住んでる人だよ。」
「え?そうなんですか?」
気が抜けたような声になってしまった。
「マンションのベーカリーカフェで俺の事何度か見かけたらしい。このファンタジックなマンションに男が住んでるの珍しいなって。彼女、海外に引っ越すらしくて、粗大ゴミ捨てたいんだけど一人じゃ大変だから手伝ってくれないかって言われたんだ。ほとんど人に譲るらしくて相手が取りに来るから捨てる量も少ないし、業者頼むほどじゃないからって。粗大ゴミはマンションの前に朝8:30までに出さないといけないんだけど、住人だったら行きやすいし。」
「あの、彼女の部屋に靴下を忘れたっていうのは・・・。」
「?ああ、俺の洗濯物が彼女の家のベランダに落ちてたみたいで。ごみ運ぶついでに持って帰ろうと思って忘れたんだ。」
「え・・・。」
───そういうことだったんだ。
衣緒はホッと胸を撫で下ろした。
聞こうと決心したもののやはり言い淀んでいると、鈴太郎が『ん?』と優しい目で覗きこんできた。その目に背中を押され思い切って疑問を声にする。
「・・・その、お祭りに行った帰り、駅前で一緒にいらした背の高いショートカットの女性とはその・・・。」
「え?」
彼のその低い声に、聞かなければよかったと後悔したが後の祭りだった。
「そ、その葉吉さんの分のサボテンを渡し忘れて戻ったら見かけて・・・ご、ごめんなさい。あの、何でもないです。忘れて下さい・・・。」
結局サボテンは会社の鈴太郎のデスクに彼が不在の時に置いておいたのだった。
「そうだったのか。彼女はうちの下に住んでる人だよ。」
「え?そうなんですか?」
気が抜けたような声になってしまった。
「マンションのベーカリーカフェで俺の事何度か見かけたらしい。このファンタジックなマンションに男が住んでるの珍しいなって。彼女、海外に引っ越すらしくて、粗大ゴミ捨てたいんだけど一人じゃ大変だから手伝ってくれないかって言われたんだ。ほとんど人に譲るらしくて相手が取りに来るから捨てる量も少ないし、業者頼むほどじゃないからって。粗大ゴミはマンションの前に朝8:30までに出さないといけないんだけど、住人だったら行きやすいし。」
「あの、彼女の部屋に靴下を忘れたっていうのは・・・。」
「?ああ、俺の洗濯物が彼女の家のベランダに落ちてたみたいで。ごみ運ぶついでに持って帰ろうと思って忘れたんだ。」
「え・・・。」
───そういうことだったんだ。
衣緒はホッと胸を撫で下ろした。