みずあめびより
展示会場で前日と同じようにブースを回っていき、万華鏡を作る個人クリエイターのブースで話を聞くことにした。

「海外では、医療の現場でも万華鏡・・・カレイドスコープが使われているんですよ。癒し効果が評価されているんです。」

女性作家が説明をする。

「今現在弊社の商品には万華鏡はなくて。」

鈴太郎が差し出されたパンフレットを見ながら言う。

「こちらの作品は『思い出を映す万華鏡』なんです。お客様の思い出の場所等をイメージさせる作品・・・例えばハワイだったら海のブルーの背景に南国の花をイメージするカラフルなピースで模様を作り出したり、思い出のカケラとなる物をピースとして中に入れたり、装飾として外につけたりして。」

女性作家はパンフレットの大部分を占めて掲載されている作品の説明をする。これが今イチオシの商品なのだろう。

「完全オーダーメイドということでしょうか?」

「そうではないものもありますよ。例えば春のイメージの作品や夕日をイメージした作品など既にデザインされたものもあります。御社の商品のスノードームをギフトで頂いたことがあります。それに近いですかね。あれってどちらのクリエイターさんのものでしたっけ?」

「あれは確か・・・ええと・・・。」

「桜色コスモス工房さんです。」

鈴太郎が思い出そうと記憶を手繰(たぐ)り寄せていると衣緒が答える。

「そうそう。あれ、気に入ってるんです。友達にもあげようかなって。」

女性作家は嬉しそうに微笑んだ。
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