みずあめびより
朝食を食べてから車で出掛けた。午前中は雑貨屋を回り買い物をして、雑貨屋併設のカフェで昼食をとり、宇宙展の会場に向かった。

展示は興味深いものだった。他の惑星から持ち帰ったものに触れることが出来たり、地球の歴史を描いた映画が上映されていたり、無重力体験や、3D映像で色々な星に立っているように感じられるコーナーもあり、見応えがあった。


太陽系の惑星をイメージしたドリンクを飲みながら休憩する。鈴太郎が地球をテーマにした綺麗な青色のドリンク、衣緒は月のドリンクにした。ほうじ茶ラテにうさぎの形の求肥(ぎゅうひ)が浮かんでいる。

「木星とか土星じゃなくてよかったのか?面白そうだったけど。」

木星のドリンクは、ガスで出来ている惑星をイメージしてキラキラしたわたあめが入っていて、土星のドリンクはカラフルなゼリーで出来た輪が浮かんでいた。

「その、月は地球に引かれて地球の周りを回ってるから、葉吉さんが地球だったら、私は月みたいになりたいなっていうか、その・・・。」

衣緒は恥ずかしそうに俯きながら言う。

「え、だからそれにしたのか・・・?」

鈴太郎は顔がじんわり熱くなるのを感じた。
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